一般財団法人 日本自動車査定協会 東京都支所
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黒帯コース
2. 車両全体の印象
01 査定の考え方
02 車両全体の印象
03 運転席及び室内
04 エンジンルーム内
05 ボディ外板
06 ガラス・灯火及びタイヤ
07 査定車の試走
08 修復歴の考え方
09 前部の修復歴
10 側面の修復歴
11 後部の修復歴
12 不正及び災害車両
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車を査定(検査)するにあたって、部分部分の小さいことにこだわって、大きな欠陥を見落とすことのないよう、まず全体の印象をつかんでおく必要があります。

また、経験を積み重ねていくと、前に査定した車と目の前にある車の印象が違うといった感覚的な技術を身に付けることも不可能ではありません。全体的な印象を把握してから細部の確認にかかってください。


2-1 車両全体の観察

ナンバープレートの登録番号から、査定する車であることを確認し、車両から少し離れて眺め、車両全体のイメージをつかんでおきます。

車の姿勢 ・・・ 傾き、車高など
外板 ・・・ 各パネル間の隙間、プレスラインなど
塗装 ・・・ 変色・退色など
イメージ ・・・ 標準仕様と異なるかどうか

などを念頭において各部位の観察に入ると、見落し防止や修復歴発見に大変役立ちます。


少し離れた位置から、まず車両全体を見ます


2-2 査定場所の確認

外周を一巡する間に、車だけでなくその周囲にも目を配ります。査定を行う際の障害を確認し、査定車を移動するなどできる限り査定条件を良くするようにします。

障害物の有無
ドアの開閉スペース
車の前進・後退は可能か
路面は平坦かどうか、車に傾きがある場合路面によるものかどうか
明るさは十分あるか

壁側などに車が止めてある場合、壁側の外板の確認は不可能です。また、修復歴がある場合に見落す原因となります。ドアの開閉が出来なければ、ピラー類の点検は不可能です。ピラーに修理跡があれば、商品性を著しく低下させることになります。

車の前後に障害物があり、前進・後退もできない状態では、足回り、特にミッション、デフ等の点検はできません。エンジン、ミッション等のオイルもれは車を移動した時、停められていた地面を見れば確認することができます。


これでは壁側の外板の確認は不可能です。査定条件を良くするように車を移動します


2-3 全体的に見る外板の状態

車から少し離れた位置から観察し、不自然さや波跡がないか点検します。パネルに正対した方向からだけでなく、斜めの方向からも観察します。

パネルに映る影に歪みがないか
プレスラインがくずれていないか
連続したモールラインが隣接する区画で段差がついていないか
などを点検し、アウトラインをつかんでから各部の点検に入ります。


全体的に、外板の状態を観察します


2-4 全体的に見る塗装の状態

車から少し離れた位置から観察し、全体の色合いや光沢はどうか、また各パネルの色が違っていないか、見る位置を変えてみます。不自然さ、不具合を発見したら車両に近づき、より詳しく観察します。

周囲の建物などの影によって変色、色むら等を見落すこともあるので、可能な限り、車を移動して見ることです。


これでは木の影によってボンネットの塗装状態を観察することができません


2-5 改造等の有無

違法マフラーや触媒の取り外し、幅広タイヤの車体外への突出等は、元の標準状態に復元しなければなりません。

ローダウンとマフラー
地面との間には十分な間隔がなければなりません


幅広タイヤ
タイヤは車体外より突出してはいけません


Advice

毎日、目にする風景も、気候、季節によって変わって見えることもあります。それと同様に同じ型式の車が違って見えるのは、季節の変化というユーザーの使用条件が加わったからです。

車の変化も同様なことが言えます。一歩下がって全体を見ることは、大きな変化を発見し、より良い査定につながる第一歩となります。また、案外、近くで見る風景の変化より、遠くから見た変化の大きさに驚いたり、感動した経験はありませんか。


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